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2007年11月15日 (木)

五木寛之著『人生の目的』―抜書き―

さまざまな事件、近所の人が異口同音に言うのは「そんな人には見えなかった」です……

人生の目的 (幻冬舎文庫) Book 人生の目的 (幻冬舎文庫)

著者:五木 寛之
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五木寛之著『人生の目的』より

親鸞が辛辣な口調で徹底的に批判しているのは、そのような善人と悪人を対立させて区別する人間観なのだ。
 人間というのは、本当は何をしでかすかわからないじつに不安定な存在なんだぞ、と彼は言っているのだ。

 いまの若い世代や子供たちに何を語るか。そういうことがしばしば論議されますし、私も機会あるごとにそのことをきかれます。
 しかし、そこで口ごもってしまって何も言えないというのが正直なところなんですね。何を言えばいいのか。言葉がうわすべりして、子供たちの耳の横を通りすぎてしまう。そのことがわかっている。むしろそこでは、自分の人生というものに非常に忠実に誠実に生きること、子供のことをかまうよりも、はっきり言って自分の人生を充実させて生きることにすべてのエネルギーをそそぐ。そしてそれが、うまくいけばよし、うまくいかずともよし。それをかたわらで眺めている子供たちは、そのような親の生きかた、そして死にかた、そういうものから、目に見えない、かたちにならない大きな何かを、おのずと皮膚の毛穴から汲み取っていくのではないか。

私はいろんな人に、子供に期待するなよ、ということを言うんですね。なかば冗談なのですが、子供は親孝行なんかする必要ないんだと。なぜかといえば、子供が生まれる前、そして生まれた瞬間、それから六つ七つぐらいまでのあいだに、子供は親に生きる喜びというものを十分与えつくしているのだから、というふうに言うのです。

どこかで同じようなことを聞いたことがある。「子供は三歳ごろまでに、そのかわいさで、十分に親孝行をしてしまうのだ」と。

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