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2007年10月16日 (火)

宇野千代著『幸福を知る才能』―抜書き―

98歳で亡くなられた宇野千代さんだが、前向きに生きられた、その人生観には参考になるところが多そうだ。

『幸福を知る才能』より

勝負事は人生に似ているな、と私はいつでも、そう思う。勝ち負けはどうにもならなくて、時に、残酷だと思うほどである。人の暮らしも同じことで。景気の好い人は、またその上にも好いことが重なる。また重なる。人によっては、憎らしいと思うほどである。景気の悪い人は、その上にまた、何か不幸なことが起こる。続いてまた起こる。「私は何にも悪いことをした覚えはないのに、どうしてこんなに不仕合わせなんでしょう」と彼女は言う。事実、彼女は人間的にも、人から愛されるほど善良な人だ。世に神さまと言うものがあるなら、こう言う人の上にこそ宿って、彼女を不仕合わせから守ってくれそうなものだ、とだれでもそう思う。しかし、神さまと言うものは、その辺にはいないのである。そんな近まわりに、まごまごしてはいないのである。もっと眼に見えないところに、もっと雲の上のようなところにいるのである。きっと、雲の上のような、凡人の眼の届かないようなところにいるに違いない、と私は思うのである。だから、すぐ身近なところに、気ぜわしく、神さまを探したりしてはいけない。もし、一かけらでも仕合わせになりたかったら、今日は日が照って気持ちが好いなァ、とか、今日はあの人がハガキをくれてうれしいなァ、とか、仕合わせを自分で作って、自分で探すのである。それはただの作りごとでも好い、神さまは雲の中にいるのだから。

本当に世の中は不公平だよなあとしばしば思うけど、それは仕方ない、宇野千代さんのように思えればいいね……

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