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2007年10月23日 (火)

斉藤茂太著『肯定的人生観のすすめ』―抜書き―

もう一冊、モタさんの本。

斉藤茂太著『肯定的人生観のすすめ』より20071023152314

個人個人が尊重される社会になったのは結構なことなのだが、社会的に立派な人間という規範が失われてしまったために、個人個人がそれぞれ自分の価値観に従って、何でもやりたいことをやっていくのがいいことだといった風潮になってしまっている。
 こうした傾向のもとでは、もし自分のやりたいことができないときには、そこで簡単に挫折することにもなる。
 しかも、少子化の時代で、子供たちは大切に育てられ、やりたいことは何でもかなえられるような家庭環境で成長してきている。子供同士のなかで人間関係を学ぶ機会も少なく、ほとんど頭ごなしに抑えられることもなく育ってくれば、自己愛が肥大化するのもやむを得ない。こうして、過大な自己愛を持った人間が多くなってくる。
 ところが、こうした人たちも社会に出れば、仕事や人間関係など、さまざまな試練にさらされることになる。それまで、肥大した自己愛を傷つけられたことがほとんどないだけに、ちょっとしたことでも傷ついてしまい、時には心の病気に陥ってしまうことにもなりかねない。

 自己愛が過大になり、自分にこだわりすぎると、当然なことに人間関係をうまく築けなくなる。人との関係が築けないと、さらに自分の殻に閉じこもってしまう。その結果、孤独をかこつことになる。こうなると、悪循環である。
 そうならないためには、まず身近な人間との関係を大切にすることだ。別に大勢の人たちと、うまくやろうと思う必要はない。身近なほんの数人との関係がうまくいっていれば、人はそれほど孤独になることはない。
 また、はじめから社会的に意義のあることをやろうと思う必要はないと思う。身近なたった一人の友人との関係を築くことから、社会との窓が開くものだ。その人との関係がさらに次の関係を生み出すことになる。
 自分のやりたいことだけを求めるということからは、人はなかなか自分の人生に意味を見つけることができないのではないか。それでは、自分が幸せになれないということだ。人間は、どうしても人と一緒に生きていくようになっている。人と一緒に生きていくということは、ラッセルの言うように、外の世界に関心を持つことでもあるのだ。

個性を尊重し、やりたいことを探して実行することがよしとされる現在であっても、人と一緒に生きていくということでなければ、人間は生きがいを見出せない、というモタさんの主張は聞き逃せない。

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