日商簿記3級検定第107回第3問
次の取引に基づいて、答案用紙の合計残高試算表と売掛金および買掛金の明細表を作成せよ。なお、平成16年5月25日現在の合計試算表は答案用紙の5月25日現在欄のとおりである。また、売上と仕入はすべて掛けで行っている。
[5月26日から5月31日までの取引(30日は休業日)]
26日 仕入:函館商店 \37,000 売上:長崎商店 \48,000
旭川商店から、同店振出、山形商店受取、当店宛ての
為替手形\70,000を呈示されたため、引き受けた。
函館商店に対する買掛金\90,000を支払うため、
同店宛ての約束手形を振り出した。
取立を依頼していた宮崎商店振出、当店宛ての
約束手形\80,000が決済され、当座預金口座に
振り込まれた。
店舗改修のため仕入先札幌商店から借用証書により
\200,000を借り入れ、利息\4,000を差し引かれ、
残額が当座預金口座に振り込まれた。
27日 仕入:札幌商店 \43,000 売上:宮崎商店 \58,000
24日に、出張中の従業員から当座預金口座に
\100,000が振り込まれ、仮受金として処理していたが、
本日従業員が帰社し、熊本商店に対する売掛金
\60,000の回収分と、福岡商店から新たに注文を受けた
商品代金の一部\40,000を振り込んだ旨の報告を
受けた。
出張する従業員に旅費として\47,000を現金で渡した。
24日に宮崎商店に販売した商品のうち\2,000が
品違いのため返品されてきた。
熊本商店に対する売掛金を回収し、当店振出、
旭川商店あての約束手形\65,000を裏書譲渡された。
水道光熱費\8,000を小切手を振り出して支払った。
28日 仕入:函館商店 \31,000 旭川商店 \18,000
売上:宮崎商店 \55,000 熊本商店 \27,000
札幌商店に対する買掛金\60,000を支払うため、
同店受取、長崎商店あて(引受済)の為替手形を
振り出した。
貸付金のうち\100,000を利息\4,000と共に小切手で
回収し、直ちに当座預金に預け入れた。
15日に備品\150,000を購入したさいの未払代金を
小切手を振り出して支払った。
消耗品\12,000を購入し、代金は翌月11日に支払う
こととした。
29日 仕入:札幌商店 \45,000 売上:長崎商店 \41,000
宮崎商店に対する売掛金\120,000を同店振出、
当店宛ての約束手形で回収した。
旭川商店に対する買掛金\40,000を小切手で
振り出して支払った。
先に売買目的で額面\100につき\98で買い入れた
日本商工株式会社の社債のうち額面総額\100,000を
額面\100につき\96で売却し、代金は翌月5日に
受け取ることにした。
函館商店あてに振り出した約束手形\85,000について、
支払期日に当座預金口座から引き落とされた。
31日 仕入:旭川商店 \21,000 売上:熊本商店 \23,000
札幌商店に対する買掛金\90,000を支払うため、
宮崎商店より裏書譲渡されていた、広島商店振出、
宮崎商店あての約束手形を裏書譲渡した。
宮崎商店振出、当店宛ての約束手形\120,000を銀行に
売却し、手取金\118,500を当座預金に預け入れた。
長崎商店に29日に販売した商品について\3,000の
値引きをした。
給料総額\110,000のうち、立替払いしていた従業員の
生命保険料\4,500と、所得税の源泉徴収分\8,500を
差し引き、手取金を当店の当座預金口座から従業員の
普通預金口座へ振り込んだ。
[答案用紙]
日にちを追って仕訳をする。
26日 仕入:函館商店 \37,000 売上:長崎商店 \48,000
旭川商店から、同店振出、山形商店受取、当店宛ての
為替手形\70,000を呈示されたため、引き受けた。
函館商店に対する買掛金\90,000を支払うため、
同店宛ての約束手形を振り出した。
取立を依頼していた宮崎商店振出、当店宛ての
約束手形\80,000が決済され、当座預金口座に
振り込まれた。
店舗改修のため仕入先札幌商店から借用証書により
\200,000を借り入れ、利息\4,000を差し引かれ、
残額が当座預金口座に振り込まれた。
借用証書による借り入れの勘定科目は「借入金」。借用証書でなく、支払手形を受け取って借り入れをするなら、「手形借入金」となる。
そして、この場合、借りる時に利息を差し引いて借りているわけだが、支払利息勘定も仕訳に入れることを忘れないように。
マサヒコさんの「わかりやすい簿記」で、借入金のおさらい。
(1) お金を借りたとき
お金を借りたときは、後で返す債務が生じるので、借入金勘定の貸方(負債の増加)に記入します。
加賀商店は、山城商店から現金20,000円を借り入れ、借用証書を渡した。
| 借 方 |
|
|
貸 方 |
| (現 金) |
20,000 |
|
|
(借入金) |
20,000 |
(2) 借入金を返済したとき
借りたお金を返したら債務が消滅するので、借入金勘定の借方(負債の減少)に記入します。利息を支払った場合は、支払利息勘定の借方 (費用の発生)に記入します。
借 方 貸 方
(借入金) 20,000 (現 金) 23,000
(支払利息) 3,000
27日 仕入:札幌商店 \43,000 売上:宮崎商店 \58,000
24日に、出張中の従業員から当座預金口座に
\100,000が振り込まれ、仮受金として処理していたが、
本日従業員が帰社し、熊本商店に対する売掛金
\60,000の回収分と、福岡商店から新たに注文を受けた
商品代金の一部\40,000を振り込んだ旨の報告を
受けた。
出張する従業員に旅費として\47,000を現金で渡した。
24日に宮崎商店に販売した商品のうち\2,000が
品違いのため返品されてきた。
熊本商店に対する売掛金を回収し、当店振出、
旭川商店あての約束手形\65,000を裏書譲渡された。
水道光熱費\8,000を小切手を振り出して支払った。
27日の仮受金のおさらい。仮受金(負債)とは「科目が不明の入金、最後まで分からないときは雑収入にする」
もう一つ、前受金(負債)とは「商品や製品などの注文を受けた際に前受した金額」
売掛金回収で、売掛金の貸方(資産の減少)に記入するが、受け取ったのは当店、つまり自分の店の負債の手形を呈示されたので、勘定は支払手形となる。
29日 仕入:札幌商店 \45,000 売上:長崎商店 \41,000
宮崎商店に対する売掛金\120,000を同店振出、
当店宛ての約束手形で回収した。
旭川商店に対する買掛金\40,000を小切手で
振り出して支払った。
先に売買目的で額面\100につき\98で買い入れた
日本商工株式会社の社債のうち額面総額\100,000を
額面\100につき\96で売却し、代金は翌月5日に
受け取ることにした。
函館商店あてに振り出した約束手形\85,000について、
支払期日に当座預金口座から引き落とされた。
売買目的有価証券は、総額が\100,000で、単価が\100だから100,000÷100=1,000株。
\98で買ったものを\96で売ったから、96×1,000=\96,000で売り、1株につき\2の損失、つまり\2,000の損失が出たことになる。
この有価証券売却損は試算表にないので、一番下にこの勘定を書き加える。
31日 仕入:旭川商店 \21,000 売上:熊本商店 \23,000
札幌商店に対する買掛金\90,000を支払うため、
宮崎商店より裏書譲渡されていた、広島商店振出、
宮崎商店あての約束手形を裏書譲渡した。
宮崎商店振出、当店宛ての約束手形\120,000を銀行に
売却し、手取金\118,500を当座預金に預け入れた。
長崎商店に29日に販売した商品について\3,000の
値引きをした。
給料総額\110,000のうち、立替払いしていた従業員の
生命保険料\4,500と、所得税の源泉徴収分\8,500を
差し引き、手取金を当店の当座預金口座から従業員の
普通預金口座へ振り込んだ。
手形の割引料は、試算表に手形売却損という勘定があるのでこれを使う。
従業員立替金は資産、所得税預り金は負債。
仕訳帳から各勘定の26日から31日までの取引の合計をまず求め、仮に合計残高試算表の5月31日現在の合計欄に記入し、最終的には5月25日現在の金額と合計して5月31日現在の合計欄に記入し、最後に貸方、借方の差引をして、それぞれの残高欄に記入する。
[解答途中経過]
[解答]
売掛金、買掛金明細表を仕訳帳を参考に完成する。ただし、5月25日の明細表の空欄は、合計残高試算表の5月25日現在の借方貸方の合計金額から推定する。
売掛金の5月25日現在の残高は2,112,000-1,430,000=\682,000
売掛金明細表の合計金額と一致するはずだから、宮崎商店への売掛金は682,000-134,000-240,000=\308,000
買掛金の5月25日現在の残高は1,600,000-977,000=\623,000
買掛金明細表の合計金額と一致するはずなので、旭川商店からの買掛金は623,000-281,000-217,000=\125,000
26日から31日までの取引で長崎商店の売掛金は借方貸方差し引きして、48,000+41,000-63,000=\26,000
よって、31日現在の残高は、25日の残高240,000+26,000=\266,000
宮崎商店の売掛金は差引して、58,000+55,000-122,000=
\-71,000
\-9,000
31日現在の残高は、25日の残高308,000-9,000=\299,000
熊本商店の売掛金は、27,000+23,000-60,000-65,000=
\-75,000
31日の残高は、25日の残高134,000-75,000=\59,000
売掛金の31日現在の合計は\624,000で、試算表の残高と一致する。
同じく、買掛金についても見ていく。
26日から31日までの取引で函館商店への買掛金は借方貸方差し引きして、37,000+31,000-90,000=\-22,000
31日現在の残高は、25日の残高217,000-22,000=\195,000
札幌商店への買掛金は43,000+45,000-60,000-90,000=
\-62,000
31日の残高は、25日の残高281,000-62,000=\219,000
旭川商店への買掛金は18,000+21,000-70,000-40,000=
\-71,000
31日の残高は、25日の残高125,000-71,000=\54,000
買掛金の合計は\468,000となり、試算表の残高と一致する。